明清みんしん)” の例文
私はあの高価な貴重な作、例えば蒔絵の如き、明清みんしん官窯五彩の如きが、いかに絵画的効果にその価値を委ねているかを興味深く感じる。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
それには平生香奩体こうれんたいの詩を読んだり、sentimentalサンチマンタル な、fatalistiqueファタリスチック明清みんしん所謂いわゆる才人の文章を読んだりして
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
黄大癡くわうたいちの如き巨匠さへも此処ここへは足を踏み入れずにしまつた。いはん明清みんしんの画人をやである。
支那の画 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
俳句の元禄時代に似たり、宋時代は総たるみといふて可ならんか。明清みんしんに至りおおいにしまりたる傾きあり。俳句の安永、天明に似たり。(しかれども人によりてたるみたるも少からず)
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
だがどうして彼の作が美しいか。実に明清みんしん下手げてな赤絵が彼の美の標的でした。そうして彼の驚くべき才能がよくその真髄を捕え得たからと云わねばならないのです。
民芸とは何か (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
後代あの蒹葭堂けんかどう等が支那明清みんしんのものに驚きの眼を開いたのも同じでした。彼等にとってそれは死んだものでなかったのです。活々いきいきした姿においてその美が眼を打ったのです。
民芸とは何か (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
伊万里の藍絵磁器は、もとより明清みんしんまたは朝の青華せいかを師としたものであるが、真に原品に比敵し得るものは、古伊万里の他には、ただこれらの見棄てられた雑器のみである。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)