“旅硯”の読み方と例文
読み方割合
たびすずり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まず田代玄甫たしろげんぽの書いた「旅硯たびすずり」の中の文によれば、伝吉は平四郎のまげぶしへたこをひっかけたと云うことである。
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
旅硯たびすずりとり出でて、御灯みあかしの光に書きつけ、今一声もがなと耳をかたぶくるに、思ひがけずも遠く寺院の方より、七三さきふ声のいかめしく聞えて、やや近づき来たり。
これもここでのぞみの達せらるるきざしか、と床しい、と明が云って、直ぐにこの戸棚を、卓子テエブルまがいの机に使って、旅硯たびすずりも据えてある。椅子がわりに脚榻きゃたつを置いて。……
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)