旅出たびで)” の例文
で、私は異郷いきやうに遠く旅出たびでしてながらあんまり出歩くこともせずに、始終しじう机に向つてはその執筆に專心せんしんした。私は眞劍しんけんに、純眞じゆんしんに努めつづけた。
処女作の思い出 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
と、じいさんのいった言葉ことばおもし、少年しょうねんは、じいさんにあおうとおもって、「ねむまち」に旅出たびでをしました。
眠い町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
お通は、小さな旅包みを片襷かただすきに負い、髪から足ごしらえまで、すっかり旅出たびでの身仕度をしているのである。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
讃美の歌をとなえ、聖書を朗読し、かつて彼をしてその父母の安否を問わんがため一時郷里に帰省せしむる時讃美と祈祷とを以て彼の旅出たびでを送りし時、暫時の離別も苦しけれどもまた遭う時のよろこびたのし
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
やっとひし初秋はつあき旅出たびでの汽車の
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
なんで、これからの修業の旅出たびでに、女などを連れて歩かれるものか。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おもひやる旅出たびではかなし
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)