断然きっぱり)” の例文
旧字:斷然
気を判然はっきりして出直して、切物きれものか、刃物の歯ごたえのあるようにして、私に断然きっぱり、(女と切れない。)と言わしてくれ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
断然きっぱりとお照のいい消したる時、遠く小銃のようなる音の何処いずくともなく聞えて、そがひびきにやかすかに大地の震うを覚えぬ。
片男波 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
仕方がないから、例の某大家にすがって書生に置いて貰おうとすると、先生は相変らずグズリグズリと煮切らなかったが、奥さんが飽迄あくまで不承知で、先生を差措さしおいて、御自分の口から断然きっぱり断られた。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)