くたば)” の例文
生煮えの葛湯キッセリうぬの親爺が息をつめてくたばつてしまやあええ!——往来で乱暴を働らいたり、碌でもない歌を作つて唄つたりしをつて……。
友「はい/\此のお村にばかされまして、今晩牛屋の雁木で心中致しました自業自得のくたばぞこないでございます」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「えらいことをやんなすったねえ。月丸の野郎、あの一刀で、くたばっちめえやがって。ええ、もう断末魔だ」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「くくく、もうわっしあ若えでねえでもええだよ。昔あわっしにも若えのがいてな、餓鬼も二人さいただが、う、疫病にみなくたばっちもうただよ。ふんとう、ふんとうだとも」
土城廊 (新字新仮名) / 金史良(著)
マーキュ 白癩びゃくらい、あのやうな變妙來へんめうらいな、異樣おつ氣取きどった口吻ものいひをしをるやつくたばりをれ、陳奮漢ちんぷんかんめ! 「イエスも照覽せうらんあれ、拔群ばっくん劍士けんしでござる! いや、拔群ばっくん丈夫ますらをでござる!」
だがお前はけだものだ、悪い奴だ。旦那は生きている、お前はくたばった獣だ。……神様は人間を創りなすった——生きるためによ。喜びもあり、淋しいこともあり、悲しいこともあるようによ。
追放されて (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「どっこいどっこいそうはいかねえ! これでも喰らってくたばりゃあがれ!」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
侍らしくくたばるがよい。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうして皆笑うんでがす、笑うでねえ、わっしあくたばっちまうんだ。笑うでねえ!」
天馬 (新字新仮名) / 金史良(著)
「そうかそうか、くたばったのか?」こう訊いたのは猪右衛門。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「手前こそひき蛙みてえにぶくぶく酒でもあおってくたばりやがるがええ」
土城廊 (新字新仮名) / 金史良(著)
するとコロリとくたばったってものさ、鼠のような獣がな。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「さあ、旦那買って下せい。わっしあこれをたたき売って酒を飲んでくたばってみせまさあ、え、皆どうして笑うんでがす、買って下せい。笑うでねえ、買って下せい。……へ、これは有難え、有難え」
天馬 (新字新仮名) / 金史良(著)