教誨師きょうかいし)” の例文
やつ何かの役にたちたいと思ってるらしい、」と上役どもから言われていた。教誨師きょうかいしらも彼の宗教上の平素についてはく言っていた。
執行官と教誨師きょうかいしは、そこで顔を見あわせたが、さっき死刑囚に近づいた奇妙な影については、どっちも何にもいわなかった。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
よほど後のことではあるが、太田は教誨師きょうかいしを呼んで書籍の貸与方を願い出たことがあった。
(新字新仮名) / 島木健作(著)
駅へは教誨師きょうかいしの方だと云う若い女のひとがわたしたちを迎えに来ていて下さったのですが、この方から貰った名刺には、栃木刑務所勤務、教誨師、大西ヤスエと書いてありました。
天下は蟹の死をなりとした。現に死刑の行われた、判事、検事、弁護士、看守かんしゅ、死刑執行人、教誨師きょうかいし等は四十八時間熟睡したそうである。その上皆夢の中に、天国の門を見たそうである。
猿蟹合戦 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「学校に、そこへ金曜ごとに行く教誨師きょうかいしがいるから、それに依頼して、調べて貰ったところが亀田は三号舎の独房に収監されているが、健全だと言っていた。明日あすは行って、差入物をして来る」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
傲然とそう云い放ってから、教誨師きょうかいしと弁護士とを抱擁しました。そして人手も借りずに独りでぐんぐん斬首台へ登って行って、斧の下る刹那を泰然と待っていました。私にはそんな風に見えました。
自責 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
「私は教誨師きょうかいしだ」
審判 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)
すなわち、死刑囚が馬車の中で教誨師きょうかいしの言葉に耳を傾けていると、パリーの子供は叫ぶ。「あいつ牧師めと話をしてやがる、卑怯ひきょう者だな!」
つまり死刑囚の首につなをかけたり、死んだあとは死骸しがいをひきおろしたりする執行補助官、もう一人は教誨師きょうかいしであった。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
死刑執行の前日に監獄の教誨師きょうかいしが病気になった。刑人の臨終の折りに立会うため一人の牧師が必要になった。で、主任司祭を呼びにやった。
一人はバネス師という年老いた醜い教誨師きょうかいしであって、それを皆は会堂の歌唱の格子こうし越しに見ることを許されていた。
諸君はそれらの魂を監獄の教誨師きょうかいしに引きわたす。それはむろん立派な老人ではあろうが、しかし自ら信仰をもっているか、そして人に信仰をもたせうるか。
死刑囚最後の日 (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
監獄教誨師きょうかいしの世話、それからことに、わかりもしない門衛に私が言ってやったラテン語の数語、そんなもののために私は、他の囚人らとともに一週一回散歩することが許され
死刑囚最後の日 (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
広き教区や扶持や大補祭の職や教誨師きょうかいしの職や大教会堂内の役目などを盛んに与える。
その司祭は監獄の教誨師きょうかいしではなかった。不吉なことだった。
死刑囚最後の日 (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)