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擡
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もたげ
ふりがな文庫
“
擡
(
もたげ
)” の例文
この障礙は
上
(
かみ
)
に抽斎の経歴を叙して、その安政中の末路に近づいた時、早く既に
頭
(
こうべ
)
を
擡
(
もたげ
)
げて来た。これから
後
(
のち
)
は、これが
弥
(
いよいよ
)
筆端に
纏繞
(
てんじょう
)
して、
厭
(
いと
)
うべき拘束を加えようとするであろう。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
和尚が長い頭巾の
頭
(
ず
)
を、
木菟
(
みみずく
)
むくりと
擡
(
もたげ
)
ると、片足を
膝頭
(
ひざがしら
)
へ巻いて上げ、一本の
脛
(
すね
)
をつッかえ棒に、黒い尻をはっと振ると、組違えに、トンと廻って、両の
拳
(
こぶし
)
を、はったりと杖に
支
(
つ
)
いて
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
◎
木挽町
(
こびきちょう
)
五丁目辺の或る
待合
(
まちあい
)
へ、二三年以前
新橋
(
しんばし
)
の
芸妓
(
げいぎ
)
某が、
本町
(
ほんちょう
)
辺の客を
咥
(
くわ
)
え込んで、泊った事が有った、何でも明方だそうだが、客が眼を覚して枕を
擡
(
もたげ
)
ると、坐敷の
隅
(
すみ
)
に何か居るようだ
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
擡
漢検1級
部首:⼿
17画
“擡”を含む語句
擡頭
擡上
半晌擡身