トップ
>
掻退
>
かきの
ふりがな文庫
“
掻退
(
かきの
)” の例文
耳の
傍
(
はた
)
で叫んで、——
前刻
(
さっき
)
から橋の際に腰を板に附いて
蹲
(
しゃが
)
んでいた、土方体の大男の、電車も橋も
掻退
(
かきの
)
けるがごとく、両手を振って駆出したのがある。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
久々の
逢瀬
(
おうせ
)
に語り
尽
(
つき
)
せぬ其の
夜
(
よ
)
を明しまして、一日二日と過ぎます内にはや三月の花見時、向島の引ける頃、混雑の人を
掻退
(
かきの
)
け/\一人の婦人が立花屋へ駈付けてまいりまして
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其処
(
そこ
)
は塗料の腐る匂いで息が詰りそうである——然し伊藤次郎は、懐中電灯を差しつけながら、散らばっている船具や
板片
(
いたきれ
)
を
掻退
(
かきの
)
け
蹴飛
(
けと
)
ばし、塵も見逃すまじと船底の鉄板を
検
(
しら
)
べ廻った。
流血船西へ行く
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
掻
漢検準1級
部首:⼿
11画
退
常用漢字
小6
部首:⾡
9画
“掻”で始まる語句
掻
掻巻
掻込
掻合
掻廻
掻消
掻口説
掻取
掻分
掻乱