掻起かきおこ)” の例文
さてはとそのちかくを隈無くまな掻起かきおこしけれど、他に見当るものは無くて、倉前とおぼしあたりより始めて焦壊こげくづれたる人骨を掘出ほりいだせり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ここに隣からの火貰ひもらいという交際が結ばれ、また家々ではの火を留めるということが、肝腎かんじんな主婦若嫁の職務となり、さらに翌朝はその火を掻起かきおこして
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
呂昇は巧みにそれらの弱点を突いて、情緒をさわがせ、酔わし、彼らの胸の埋火うずみび掻起かきおこさせ、そこへぴたりと融合する、情熱の挽歌ばんかを伴奏したのである。
豊竹呂昇 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)