掻切かっき)” の例文
あの細い横町よこちょうほうに参り、庄三郎に突かれたなり右の手を持ち添えて、左から一文字にぐうッと掛けて切った、此方こっち(左)の疵口きずぐちから逆に右の方へ一つ掻切かっきって置いて、気丈な新助
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お妻の胸元を刺貫き——洋刀サアベルか——はてな、そこまでは聞いておかない——返す刀で、峨々ががたる巌石いわおそびらに、十文字の立ち腹を掻切かっきって、大蘇芳年たいそよしとしの筆のさえを見よ、描く処の錦絵にしきえのごとく
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)