掻上かいあ)” の例文
時に、妙法蓮華経薬草諭品みょうほうれんげきょうやくそうゆほん第五偈だいごげなかばを開いたのを左のたなそこささげていたが、右手めていた力杖ステッキを小脇に掻上かいあ
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
島野はにらみ見て、洋杖ステッキと共に真直まっすぐに動かず突立つったつ。お雪は小洋燈に灯を移して、摺附木を火鉢の中へ棄てた手でびん後毛おくれげ掻上かいあげざま、向直ると、はや上框あがりがまち、そのまませわしく出迎えた。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)