捨次郎すてじろう)” の例文
すると、同じ想いで、やはり寝つけないでいたものとみえ、日本から連れて来て以来、ずっと側に仕えてきた忠実な下僕の捨次郎すてじろう
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
文久三年に生れたのが一太郎いちたろう、その次は捨次郎すてじろうと、次第に誕生して四男五女、合して九人の子供になり、さいわいにして九人とも生れたまゝ皆無事で一人もけない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
諭吉ゆきちは、にわであそんでいるわが一太郎いちたろう捨次郎すてじろうのすがたをみながら、かんがえこみました。
「では、於福おふくではありませんか。もと清洲きよすの茶わん屋捨次郎すてじろうの息子。後に、流浪していたのを、しばらく長浜へ拾って飼いおいたことがあるが」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何年の間は中上川彦次郎なかみがわひこじろうが引受け、その後は伊藤欽亮いとうきんすけ、今は次男の捨次郎すてじろうこれに任じ、会計は本山彦一もとやまひこいち、次で坂田実さかたみのる、今は戸張志智之助とばりしちのすけ等がもっぱら担任して居ますが
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
(はて? この品は、茶わん屋捨次郎すてじろうの宅で、見たことがある。同家で野武士に盗まれたという名品と同じじゃが)
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すでに二十年前の事です。長男一太郎いちたろうと次男捨次郎すてじろうと両人を帝国大学の予備門に入れて修学させて居た処が兎角とかく胃が悪くなる。ソレから宅に呼返して色々手当すると次第にくなる。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)