拳大こぶしだい)” の例文
私は同君とは高等学校から大学へかけて六年間同級生でしたから、ここに拳大こぶしだいの判をして保証することが叶います
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
見憶えのあるずぼんに、まぎれもないバンドを締めている。死体はおいの文彦であった。上着は無く、胸のあたりに拳大こぶしだいれものがあり、そこから液体が流れている。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)
するともう一人の子分が、右うしろから拳大こぶしだいの石を投げつけた、(力いっぱい投げた)のが、孝之助のぼんのくぼに当った。耳ががんとし、眼がくらんで、前へのめった。
竹柏記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
余りに大きく、また余りにたくましく光っているので、最初は錯覚かとよく見定めて見たが、確かに、それは大きなこぶに違いなかった。テラテラ光った拳大こぶしだいの肉塊がカラーと耳との間に盛上っている。
狼疾記 (新字新仮名) / 中島敦(著)
その時、誰が投げたかヒューと風を切って飛んで来た拳大こぶしだいの石。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)