抱合いだきあ)” の例文
二人は少時しばし立ちすくんだままたがいに姿さえ恐るる如く息をこらして見合っていたが、やにわに双方から倒れかかるように寄添よりそいざま、ひしと抱合いだきあって、そのまま女は男の胸に
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
みとめたが、萎々なえ/\として、兩方りやうはう左右さいうから、一人ひとり一方いつぱうひざうへへ、一人ひとり一方いつぱうの、おくれみだれたかたへ、そでおもてをひたとおほうたまゝ、寄縋よりすが抱合いだきあふやうに、俯伏うつぶしにつてなやましげである。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)