扶翼ふよく)” の例文
われらは、天皇を信仰し心から皇運を扶翼ふよくし奉るものは皆われらの同胞であり、全く平等で天皇に仕え奉るべきものと信ずる。
最終戦争論 (新字新仮名) / 石原莞爾(著)
一身の処決を急ぎ、生きて祖宗のあやうきを扶翼ふよくし奉らんとはせず、みだりに血気の勇を示そうとするは——けだし真の忠節とは申されまい。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つぎに、一旦緩急あらば、義勇公に奉じ、以て天壌無窮の皇運を扶翼ふよくすべし。
「非力不才の者が、御陣の扶翼ふよくさんじなどしては、かえって乱を大きくし、宮方のわざわいを深うするのみでございますれば」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
国体を擁護し皇運を扶翼ふよくし奉るための武力の発動が皇国の戦争である。
最終戦争論 (新字新仮名) / 石原莞爾(著)
そして同じ敵対国にたいしては、常に重きをなしているから無言の防塁ぼうるいはつねに織田の後方を確乎かっことして扶翼ふよくしている。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
 国体を擁護し皇運を扶翼ふよくし奉る力、日本の武である。
戦争史大観 (新字新仮名) / 石原莞爾(著)
……ふむ。それも一理ある言だな。しかし、まだ天下はほんとに治まっていないし、朝廷におかれても、この曹操にかわって、扶翼ふよくし奉る人がおらぬ。朝野の安危を
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(いや、わしは学者でも史家でもないから、自身で筆を執ろうなどとは考えておらぬ。わしは、お身方みがたのような、博学多識をあつめて、この大業に、扶翼ふよく協力させる親柱おやばしらとなるだけのものだ)
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この曠世こうせい文業ぶんぎょうに、光圀を扶翼ふよくして、蒐書しゅうしょや研究や編修の実務にあたった人々としては、人見又左、吉弘元常よしひろもとつねなどをはじめとして、板垣矩いたがきのり中村帆なかむらはん岡部仙おかべせん松田効まつだこう小宅順こやけじゅん田中犀東たなかさいとうなど以下
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)