打明話うちあけばなし)” の例文
竜之助とは火縄の茶屋で別れて、この若い男女は参宮に行くでもないし、地蔵堂に近い宿屋の離れ座敷に、こうして打明話うちあけばなしをし合って泣いている。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
鼠色の白楊はこやなぎよ、罪ありさうにふるへてゐる、全體ぜんたいどんな打明話うちあけばなしが、その蒼白あをじろい葉の上に書いてあつたのだらう、どういふ思出を恐れてゐるのだ、秋の小逕こみちに棄てられた熱に惱んだ少女子をとめごよ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
前後の模様からすだけで、実際には事実となって現われて来なかったから何とも云い兼ねるが、叔母はこの場合を利用して、もし縁があったら千代子を高木にやるつもりでいるぐらいの打明話うちあけばなし
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こんな言葉ことばをきっかけに、敦子あつこさまは案外あんがいすらすらと打明話うちあけばなしをすることになりましたが、最初さいしょ想像そうぞうしたとおり、はたして敦子あつこさまのうえには、わたくしっている以上いじょうに、いろいろこみった事情じじょうがあり