打切ぶっき)” の例文
一念か、こなごなに、それはもう、霜柱のように砕けましたッてね、額をはすッかけに打切ぶっきって、血がたらたら出たそうです。それを痛そうな顔もしないで
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おれ今でこそ車を引いてるが、元は大久保政五郎おおくぼまさごろうの親類で、駈出かけだしの賭博打ばくちうちだが、漆原うるしはら嘉十かじゅうと云った長脇差ながわきざしよ、ところが御維新ごいっしんになってから賭博打を取捕とっつかめえては打切ぶっきられ
多「の袖だけむだだから、れをなた打切ぶっきってしまうから此処こけへ持ってう」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
是程にやかましかアねえと思ったから、印形を捺きやした、ほんのおきてで、一寸ちょっと小指へ疵を附けるぐれえだアと思いやしたが、指を打切ぶっきられると此ののち内職が出来ません、と云って無闇に頬辺なんて
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
役人「やい/\貴様は何者か、ぐず/\すると打切ぶっきるぞ」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
多「これを打切ぶっきるだアよ、おらうちじゃア入らねえから」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)