なつこ)” の例文
旧字:
冬枯の畑の起伏も面白く、林には冬の小鳥が人なつこそうに鳴いて、江戸の町の真中から来ると、命も伸びそうです。
と、人なつこい声で云いました。其の声が濁りのある山田先生とちがっているので、其の顔を見ると、顔ははっきりとしませんが、白い顔で、薄い口髯がありました。
薬指の曲り (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
青年は羞み家であるが、その癖人一倍、人なつこい性格を持つてゐるらしかつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)