懐中ポケツト)” の例文
旧字:懷中
銀行家だからといつて、まさか金塊を懐中ポケツトに入れてゐる訳でもありますまいから、一億円の金塊は恰度ちやうど三尺立方のかさがあります。
正直な日本人は、心持顔を赤めながら、慇懃いんぎんに帽子を脱いでお辞儀をした。そして懐中ポケツトから手帖を取り出して次のやうな文字を書き込んだ。
肥つた男は、それを受取るなり、懐中ポケツトにしまひ込んだ。そして相変らずすぱすぱけぶりを吹かしてゐた。
内田氏は脱いだ帽子が自分のに相違ないかといふ事をよく見極めた上でそれをかぶつた。そして懐中ポケツトから一円紙幣を取り出すと叮嚀に皺をのばして、媼さんの前に出した。
前にも立優たちまさつた出来で、聴衆ききては唯もう夢中になつて手をつて驚嘆した。そののぼせた容子ようすを見てゐたエルマンは、懐中ポケツトからハンケチを取り出して、そつと額の汗を拭いた。