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憂悶
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いうもん
ふりがな文庫
“
憂悶
(
いうもん
)” の例文
彼は再び薔薇のことを考へた。考へたばかりではない。あの日かげの薔薇の
憂悶
(
いうもん
)
を今は生活そのものをもつて考へるのである、こんな日毎の机の前に坐り込んだまま。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
『
貴方
(
あなた
)
の
云
(
い
)
ふヂオゲンは
白癡
(
はくち
)
だ。』と、イワン、デミトリチは
憂悶
(
いうもん
)
して
云
(
い
)
ふた。『
貴方
(
あなた
)
は
何
(
なん
)
だつて
私
(
わたくし
)
に
解悟
(
かいご
)
だとか、
何
(
なん
)
だとかと
云
(
い
)
ふのです。』と、
俄
(
にはか
)
に
怫然
(
むき
)
になつて
立上
(
たちあが
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
胸に深い
憂悶
(
いうもん
)
でもあるのか、他の遊覧客とちがつて、富士には
一瞥
(
いちべつ
)
も与へず、かへつて富士と反対側の、山路に沿つた断崖をじつと見つめて、私にはその様が、からだがしびれるほど快く感ぜられ
富嶽百景
(新字旧仮名)
/
太宰治
(著)
染五郎の
憂悶
(
いうもん
)
を救ふ工夫もありません。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
長い陰気なこのごろの雨の日の毎日毎日に、彼の沈んだ心の
窗
(
まど
)
である彼の
瞳
(
ひとみ
)
を、人生の
憂悶
(
いうもん
)
からそむけて外側の方へ向ける度毎に、彼の瞳に映つて来るのはその丘であつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
“憂悶”の意味
《名詞》
憂悶(ゆうもん)
何かを憂いて悶えること。
(出典:Wiktionary)
憂
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
悶
漢検準1級
部首:⼼
12画
“憂”で始まる語句
憂
憂鬱
憂慮
憂目
憂欝
憂愁
憂身
憂鬱症
憂世
憂惧