情実わけ)” の例文
旧字:情實
これ、姦通まおとこにも事情はある、親不孝でも理窟を云う。前座のような情実わけでもあって、一旦内へ入れたものなら、猫のの始末をするにも、鰹節かつおぶしはつきものだ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
皺延しわのばしの太平楽、聞くに堪えぬというは平日の事、今宵こよいはちと情実わけが有るから、お勢は顔をしかめるはさて置き、昇の顔を横眼でみながら、追蒐おっか引蒐ひっかけて高笑い。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
其のうちにお瀧が中央に居るから、情実わけが有ればソレ夜中に向うの床の中へ這入るとか、男の方からお瀧の方へ足でも突込つッこめば、貴方が跳起はねおきて両人ふたりをおさえ付け
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)