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怱忙
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そうぼう
ふりがな文庫
“
怱忙
(
そうぼう
)” の例文
老エフィゲニウスの身近
怱忙
(
そうぼう
)
を加うべきを思い、我らは今一度姫の死に涙の黙祷を捧げて後、やがて再び別邸への道を
辿
(
たど
)
った次第でありましたが
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
遠い山からそれを見ると、勤勉な蟻——物を考へたり声を出したりしないところの、あの
怱忙
(
そうぼう
)
な行列に酷似してゐた。
村のひと騒ぎ
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
怱忙
(
そうぼう
)
のうちにも無名丸は、船出としての喜びと希望とを以て、釜石の港から出帆して、再び大海原に現われました。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
わたくしは再び眼を上げて、
蓮
(
はす
)
の枯茎のOの字の並べ重なるのを見る。
怱忙
(
そうぼう
)
として
脳裡
(
のうり
)
に過ぎる十八年の歳月。
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
日頃、政務に追われ、
怱忙
(
そうぼう
)
の日を送っている俗情は、どこか遠い山の
端
(
は
)
へ消えさってゆく感じだったのである。
霧の蕃社
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
▼ もっと見る
試験は
何時
(
いつ
)
も、
甚
(
はなは
)
だ
曖昧
(
あいまい
)
な答案を書いて通過する、卒業論文の
如
(
ごと
)
きは、一週間で
怱忙
(
そうぼう
)
の中に作成した。
羅生門の後に
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
都に住む
怱忙
(
そうぼう
)
の若者らは、いまさらに野の清い広さにしみ入って眺めた。津の人は和泉の人の誰にいうとも分らないこの言葉にも、一応なにか答えぬわけには行かなかった。
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
先年
怱忙
(
そうぼう
)
のみぎりに、移住を日程にのぼした彼らが、さきの家老に一切をまかして、命じて開拓主事とした。その意見をたしかめることが、邦夷の思想を動かぬものにすることであった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
梅颸もそれぞれの客に女性らしい
久濶
(
きゅうかつ
)
をのべた。母子は
怱忙
(
そうぼう
)
な半日を、同じ室でまったく対外的に暮して、その間に、荷を出したり、松蔭に雑務を依頼したりして、やっと、午後の三十石船に移った。
梅颸の杖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“怱忙”の意味
《名詞》
慌ただしく、忙しいこと。倉卒。
(出典:Wiktionary)
怱
漢検1級
部首:⼼
9画
忙
常用漢字
中学
部首:⼼
6画
“怱”で始まる語句
怱々
怱卒