心安立こゝろやすだて)” の例文
旧文芸協会当時、東儀氏が例の明けつ放しの気質かたぎから、ちよい/\松井須磨子に心安立こゝろやすだて戯談ぜうだんでもいふと、そばで見てゐる島村抱月氏は気が気でなく、幾らか誤解はきちがへも手伝つて
心安立こゝろやすだてが過ぎてお前さんをった事も有りましたが、誠に済まない事を致しました、私はもう死にますから此の事だけお知らせ申して死度しにたいと思い、ことにお前さんは親類みより縁者たよりは無いけれども
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ある日のひる過ぎ、いつものやうに慌てて入つて来た。心安立こゝろやすだて碌々ろく/\挨拶もしないで、膝を進めたと思ふと、其処そこに居合はせた娘の伯父の手を取つた。伯父は密源といつて頭をまるめた僧侶ばうさんであつた。
始めておほゝゝゝわたしアまアうっかりとして、只お懐かしいので美代ちゃんの事ばかり………藤川様とか……誠にね、かねてお噂には伺って居りましたが……そうでございましたか、ついね、心安立こゝろやすだてにもうね
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)