御陵ごりょう)” の例文
おそれ多いご比較ではあるが、吉野の御陵ごりょうには、雑草が離々りりいて、ここの何分の一の御築石みきずきもない——けがれもくそもあるものか、俺は、斬る
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丁度ちょうど十楽院じゅうらくいん御陵ごりょう近処きんじょまで来ると、如何どうしたのか、右手ゆんでにさしておるからかさが重くなって仕方がない、ぐうと、下の方へ引き付けられる様で、中々なかなからえられないのだ、おかしいと思って
狸問答 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
先帝陛下が御崩御になって中野なかのの先の浅川あさかわ御陵ごりょうが出来た頃の話なんですよ。
三角形の恐怖 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「開化天皇の御陵ごりょうでございます。人皇にんおう九代にわたらせられます」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
崖の下は月輪川で、谷の奥所おくが月輪関白つきのわかんぱく兼実かねざねの墓があるという。墓といえば、ついそこの眉にせまる阿弥陀あみだみねの下あたりは墓や御陵ごりょうだらけだった。鳥部野が近いのである。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「まずは御陵ごりょうのおん前に」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)