御袖みそで)” の例文
「——御訓誡ごくんかい、ありがとう存じまする。……にもかかわらず、慈悲の御袖みそでにすがって、おねがい申さねばならぬ儀は」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朱唇しゅしん白衣びゃくえ白木彫しらきぼりの、み姿の、片扉金具の抜けて、おのずから開いた廚子から拝されて、が捧げたか、花瓶の雪の卯の花が、そのまま、御袖みそでもすそまがいつつ、銑吉が参らせた蝋燭ろうそくの灯に
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
荷葉はすなかば誰にゆるすのかみ御句みく御袖みそで片取かたとるわかき師の君
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
御袖みそでくくりかへりますかの薄闇うすやみ欄干おばしま夏の加茂川の神
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)