これすなわち、山海共に皇室の御稜威に服し、ここに既に同化融合の実を挙げ給うた事実を、語り伝えたものではあるまいか。
「——おれはもう親父のこともおふくろのことも考えん。大君の国の御稜威をおとさじと家をも身をも捨てにしものを」。
武士は、武士大衆の自力を信じ、公卿は公卿で、御稜威に帰した天下であるとし、それはわが世の春だと思っている。
朝廷というものが中央においでになる、その朝廷の御稜威を借りて事をなさなければ、為すべき名分も、手段も立たぬ。よって薩長あたりが躍起となって策動している……
わが日本は、幸いにして、御稜威のもとに、建国二千六百余年の光輝ある国史をもち、軍人は忠勇無双、銃後国民も亦すこぶるりっぱです。この点ではどこの国にも負けません。