御目見おめみえ)” の例文
子供たちは身分に応じて羽二重の黒紋付の小袖を着て、御目見おめみえ以上の家の子は継𧘕𧘔つぎがみしも、御目見以下の者は普通の麻𧘕𧘔を着けていた。
半七捕物帳:11 朝顔屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
采女が登城して、首尾よく御目見おめみえを済ませた晩、大場家の奥には、采女と相沢半之丞と平次が首をあつめておりました。
村内へ觸歩行ふれあるきしゆゑ村中一とう此頃の寺の動靜やうすさては然る事にて天一樣は將軍家の御落胤にて今度こんど江戸へ御出立になれば二度御目通り成ねば當前あたりまへさらば今の内に御目見おめみえ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
改めて将軍家に御目見おめみえの上、近いうちにも跡目相続、八千五百石を相違なく下されることになるでしょう。
由来聖堂の吟味に出た場合に、大身の子と小身の子とはとかくに折り合いが悪い。大身の子は御目見おめみえ以下の以下をもじって「烏賊いか」と罵ると、小身の方では負けずに「章魚たこ」と云いかえす。
半七捕物帳:11 朝顔屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
急ぎ程なく江戸表へちやくしければ早速さつそく御月番おつきばん御老中へ到着たうちやく御屆おんとゞけに及び此段上聞じやうぶんに達しければ早々忠右衞門に御目見おめみえ仰せ付らるべきのおもむきなれば大岡忠右衞門早速さつそく御前へ罷出まかりいで平伏へいふくしける時に將軍の上意じやういに忠右衞門其方は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「もう一と息だよ——お前御苦労だが、伊之助の出入りしているおやしきで、五年前にお産のあった家を探してくれ。白羽二重の産衣を用意するくらいだから、御目見おめみえ以上の武家だ」
庄司右京は隠居、助十郎は改めて将軍家へ御目見おめみえという段取りになりそうです。
将軍家への御目見おめみえも病気と称して延々のびのびになったまま、重役方に手蔓てづるをたぐって、どうやらこうやら家督は仰せ付けられましたが、あまりの低能振りに、武家方からは嫁のくれ手もありません。