御史ぎょし)” の例文
泰不華元帥たいふかげんすいはその当時西台せいたい御史ぎょしであったので、その事件の記録に朱書きをして、「鬼贓」としるした。鬼の贓品という意である。
敬の言にして用いらるれば、燕王けだし志を得ざるのみ。万暦ばんれきに至りて、御史ぎょし屠叔方としゅくほう奏して敬の墓を表しを立つ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
二、三日過ぎてから始めて林児がなにがしという御史ぎょしの家にいることが解った。そしてその御史某は都の方で官職にいたので、家事のことは一切その弟がきりまわしていた。
田七郎 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「陛下。あっしの子分どもも、ああやって、陛下のために苦労してきた奴らですから、ひとつ官職を与えてやっておくんなさい。——御史ぎょしとか、校尉とか、なんとか、肩書をひとつ」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
唐の貞元ていげん年中に盧虔ろけんという人が御史ぎょしに任ぜられて、宿所を求めた末にかの古屋敷を見つけた。そこには怪異があるといって注意した者もあったが、盧はかなかった。
御史ぎょし僧をただすに及びて、僧曰く、年九十余、今たゞ祖父のりょうかたわらに葬られんことを思うのみと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
御史ぎょし鄭泰ていたいなる者が、何進の前に来て云った。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
の立言正平せいへいなるを以て太祖の嘉納するところとなりしまたこれ一個の好人物なり。時に事に当る者、子澄、泰の輩より以下、皆諸王を削るを議す。独り御史ぎょし韓郁かんいくとは説を異にす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)