強盗おしこみ)” の例文
旧字:強盜
日向見ひなたみのお瀧と云う日蔭の身の上とも知らず、欺されて橋場へ置くうち強盗おしこみに殺されたと思ったら……由さん何うだえ、ずう/\しく此処に居るたア
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「いよいよこの強盗おしこみは桔梗屋のお藤と引っかかりのある者に決った。お前が聞込んだ筋を一つ一つ手繰ってみよう」
切り取り強盗おしこみ、闇討ち放火つけび、至る所に行なわれ巷の辻々には切り仆された武士のかばねが横たわっていたりまた武家屋敷の窓や塀には斬奸状が張られてあったり
開運の鼓 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「邪悪——そうだ、女をとりわけ憎んだっけ。……強盗おしこみ放火ひつけ殺人ひとごろし、ありとあらゆる悪業を働いた野郎だ」
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
麹町こうじまちの本家の者は、不人情で寄り付きゃしませんし、お寅が殺されたり、強盗おしこみが入ったりした後へ、私はたった一人で、死ぬほど恐ろしい思いをしているんです
山「成程、浦賀辺へ此の頃は大分盗賊が徘徊して、寺や何かへも強盗おしこみに這入ると聞きましたが、き鼻の先の竹ヶ崎へ百人から盗賊が隠れていようとは、ふうんーそれから何うしました」
偽平次の強盗おしこみには、左の頬に赤いあざがある——ということは、その日のうちに江戸中に知れ渡りました。
上野こうずけ下野しもつけ武蔵むさし常陸ひたち安房あわ上総かずさ下総しもうさ相模さがみと股にかけ、ある時は一人で、ある時は数十人の眷属けんぞくと共に、強盗おしこみ放火ひつけ殺人ひとごろしの兇行を演じて来た、武士あがりのこの大盗が
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
お前には気の毒だが、どうも世間の評判がよくねえ、——薄々知っているだろうが、あの『疾風』と言われた強盗おしこみが、お前が歩いた先々荒しているのはどういう因縁だろう。
……しかし、それからが大変で『金がなければこそこの恥辱を受ける』とそのお侍さん、その晩大屋さんの家へ強盗おしこみにはいって、大金を奪いとったのを手始めに、大泥棒になったそうです
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「この平次が強盗おしこみか強盗でないか、お前はよく知っているはずだ、安心しているがいい」
流しの強盗おしこみが、前の晩入って収入みいりが少なかったために、あくる日は下女一人のところを狙って、また入ったのであろう、——利助の子分も、近所の衆も、そういったことで片付けてしまったものです。
「いえ、風は風だが、あの『疾風はやて』と言われている強盗おしこみで……」
「お聴きでしょう? 蔵前の札差に強盗おしこみの入った話を——」