張魯ちょうろ)” の例文
呉の孫権が、漢中の張魯ちょうろへ、謀略の密使をさし向けました。呉は満腔の同情をもって、貴国へ対し、兵力軍需の援助を惜しまぬものであると。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その素姓を洗えば、しょく鵠鳴山こうめいざんにいてやはり道教をひろめていた張衡ちょうこうという道士の子で、張魯ちょうろあざな公棋こうきという人物だった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「曹操にそんな野心があってはどうもならん。張魯ちょうろも蜀を狙う狼。曹操も蜀をうかがう虎。いったいどうしたらいいのじゃ」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さて、馬超とその部下、馬岱、龐徳などの六、七名は、流れ流れて漢中にたどりつき、この国の五斗米教ごとべいきょうの宗門大将軍張魯ちょうろのところへ、身をよせた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元来、漢中の張魯ちょうろという野心家は、どうかして漢寧王かんねいおうの称号を得たいと常々からねがっておるので、その腹心の人楊松へ私から密書をやっておきました。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……あなたが蜀をお取りにならなければ、結局、この蜀は、漢中の張魯ちょうろか、の曹操に奪られるものです。なにを今さら、お迷いになることがありましょうぞ
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——しからば、張繍ちょうしゅう張魯ちょうろ韓遂かんすいなどの人々はいかがですか。彼らもみな英雄とはいえませんか」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ご辺のような雄才が、わが荊州にいる以上、大安心はしているが、漢中の張魯ちょうろと、呉の孫権そんけんはいつも頭痛のたねだ。ことに南越の境には、のべつ敵の越境沙汰がたえない。この患いを
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むかし太祖武祖ぶそ(曹操のこと)が張魯ちょうろを平げたもう折、群臣をいましめられて、——南鄭なんていの地は天獄たり、斜谷やこくは五百里の石穴せっけつ、武を用うる地にあらず——と仰せられたお言葉があります。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)