いと)” の例文
この時葉之助は矢を取るとパッチリつがえてキリキリキリ、いと一杯に引き絞ると、狙いも付けず切って放した。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼は彼自身の眼を疑うように、一刹那いっせつなは茫然とたたずんでいた。が、たちまち大刀を捨てて、両手に頭を抑えたと思うと、息苦しそうなうめき声を発して、いとを離れた矢よりも早く、洞穴の外へ走り出した。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彼女の声は情熱の為に胡弓ヴァイオリンいとのようにふるえていた。
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
七筋の調べのいと
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)