引跨ひんまた)” の例文
それがさ、一件じゃからたまらぬて、乗るとこうぐらぐらして柔かにずるずるといそうじゃから、わっというと引跨ひんまたいで腰をどさり。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それがさ、一けんぢやからたまらぬて、るとうぐら/\してやはらかにずる/\とひさうぢやから、わつといふと引跨ひんまたいでこしをどさり。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
友染の羽織を着たのが、店から火鉢を抱えて来て、膝と一所に、お大事のもののように据えると、先生は引跨ひんまたぐ体に胡坐あぐらの膝へ挟んで、口のあたりを一ツ撫でて
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(不器用千万なる身ぶりにて不状ぶざまに踊りながら、白拍子のむくろを引跨ひんまたぎ、飛越え、刎越はねこえ、踊る)おもえばこの鐘うらめしやと、竜頭りゅうずに手を掛け飛ぶぞと見えしが、ひっかついでぞ
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)