引裾ひきすそ)” の例文
むにめたきいた引裾ひきすそながくゑんがはにでゝ、用心口ようじんぐちよりかほさしいだし、たまよ、たまよ、と二タこゑばかりんで、こひくるひてあくがるゝ主人しゆじんこゑ聞分きくわけぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その宵、私たち小さくかたまって、おとなしくしていると、八十二になっていた祖母が引裾ひきすそを、サヤサヤと音たてて、チンボだよチンボだよと言いながら父の方へいった。