)” の例文
いや、自分のつるをはなれたが、谷間へ落ちたものか、まと射当いあてたものかぐらいなことは、がえりのとたんに、この手もとへ感じるものでござる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……巣車つりせいろうの縄をなえ! がけ、ごての縫い目をしめろ! ああ忙しい忙しい! これでは狂人きちがいになりそうだ! さすまた、もじり、棒、まさかり、こういうものだって馬鹿には出来ねえ
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あッ……とかるいこえがいちようにもらされたかと見ると、すでに、しぼりこまれた二きゅうはブンとがえりを打って、ひょうッと、つるをはなれた二すじのが、風を切ってまッすぐに走っている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)