弓掛ゆがけ)” の例文
学士は弓を入れた袋や、弓掛ゆがけ松脂くすねたぐいを入れたかばんを提げた。古い城址じょうし周囲まわりだけに、二人が添うて行く石垣の上の桑畠も往昔むかしいかめしい屋敷のあったという跡だ。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
忠利はまた、弓掛ゆがけを手にめて、侍臣の手から弓を受取りながら
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
弓掛ゆがけはずして、縁側で、手刻みの荒い葉を煙管きせるにつめていると
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)