廿三にじゅうさん)” の例文
このよしをはなしたのである、同氏の家にはあと二日ばかり厄介やっかいになって、私が京都に帰ったのは、すなわ廿三にじゅうさん日の昼であった、家へ帰って、聞くとその娘は廿一日にじゅういちの夜に死んだ、今日が
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
思えば私は随分と家庭の安穏を壊わす仲立を勤めた。父母と兄夫婦の間も折合がうまくいかなかった。遂に一家は離散しなければならぬなりゆきに立ち到った。私の廿三にじゅうさんの年の暮のことである。
前途なお (新字新仮名) / 小山清(著)
廿三にじゅうさん日小山の停車塲にて長塚とたもとわかつ。長塚は郷里岡田へ帰るなり。
滝見の旅 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
今日より遥かに惨刻ざんこくなもので、私は廿三にじゅうさん才の誕生日の日、重罪犯人として捕縛され、他の三十七人の罪人と一しょにグロリア・スコット号にのせられてオーストラリアに送られることになったのだ。
明治廿三にじゅうさん年の二月、父と共に信州軽井沢に宿やどる。昨日から降積ふりつむ雪で外へは出られぬ。日の暮れる頃に猟夫かりうどが来て、鹿の肉を買つてれと云ふ。退屈の折柄おりから、彼を炉辺ろへんに呼び入れて、種々いろいろの話をする。
雨夜の怪談 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)