延上のびあが)” の例文
若草は鬢髪びんはつを逆立て、片膝を立て、怨めしそうに堀切の方を延上のびあがって見詰めた時の凄いこと、実にいきながらの幽霊でございます。
ギルは帳場の支配人と何事か談合はなしあっていたが、すぐ宿帳を見せてくれた。泉原はギルの後ろから延上のびあがって帳簿の上に目をさらした。しかしグヰンの名はどのページにも見当らなかった。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
かくて津國屋の老母お八重は偶然ふと目をさま四邊あたりを見るによめお菊の見えざれば如何せしやと延上のびあがりて見廻せども勝手にも居ざる樣子やうすゆゑひとり倩々つく/″\思ふ樣我長々の病氣にてこしも立ず身體自由ならぬ大病を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)