帝座ていざ)” の例文
二を引いて上から落ちて来た。まんじえがいて花火のごとく地に近く廻転した。最後に穂先を逆に返して帝座ていざの真中を貫けとばかりげ上げた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あれこそは此世このよ名譽めいよといふ名譽めいよが、った一人ほとり王樣わうさまとなって、すわ帝座ていざぢゃ。おゝ、なんといふ獸物けだものぢゃわしは、かりにもかたわるういふとは!
たとえひとりの忠盛でも、帝座ていざにまぢかい殿上てんじょうへ、地下人を上げるなどは、かれらの狭量と排他性がゆるさない。雲上うんじょうの特権を破壊されると感じたのである。スガ目の伊勢こそは、油断がならぬ。