“差物”の読み方と例文
読み方割合
さしもの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
阿波守の乗っている卍丸——そのふなべりに立てつらねた船印の差物さしものには、桐のかげ紋とまんじの紋、朝の潮風をうけてへんぽんとひるがえった。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「されば、これはみなわが白旗城を包囲していた敵が、攻め口を解いて逃げ落ちるさい、道の諸所にあわてて捨て去った差物さしものにござります」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ城楼じょうろう高きところ——さがふじ大久保家おおくぼけ差物さしものと、淡墨色うすずみいろにまるくめたあおいもんはたじるしとが目あたらしく翩翻へんぽんとしている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)