巨刹きょさつ)” の例文
……昌平寺は武蔵の国における臨済門の巨刹きょさつの一であるが、その頃はいわゆる関東五山の威望もうすくなり、さして傑作した人物もあらわれず
荒法師 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
さしも京洛きょうらく第一の輪奐りんかんの美をうたわれました万年山相国の巨刹きょさつことごとく焼け落ち、残るは七重の塔が一基さびしく焼野原にそびえ立っているのみでございます。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
一言贅言ぜいげんさしはさませて下さるならば、読者も御承知のとおり浄土宗の総本山巨刹きょさつ増×寺は、今より二十八年前の明治四十二年三月二日の夜半、風もなく火の気もなき黒本尊より突如怪火を発し
蒲団 (新字新仮名) / 橘外男(著)
そのふもとの谿間にこの巨刹きょさつが休んでいる。
全羅紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
さしも京洛きょうらく第一の輪奐りんかんの美をうたはれました万年山相国の巨刹きょさつことごとく焼け落ち、残るは七重の塔が一基さびしく焼野原にそびえ立つてゐるのみでございます。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
さりながら京の様子をうかがいますと、わたくしのまだ居残っておりました九月のはじめには嵯峨の仁和にんな天竜てんりゅうの両巨刹きょさつも兵火に滅びましたし、船岡山では大合戦があったと申します。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
さりながら京の様子をうかがひますと、わたくしのまだ居残つてをりました九月のはじめには嵯峨の仁和にんな天竜てんりゅうの両巨刹きょさつも兵火に滅びましたし、船岡山では大合戦があつたと申します。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)