岬角こうかく)” の例文
一部は橋のたもとから突出たいわさまたげられてこゝにふちたたえ、余の水は其まゝ押流して、余が立って居る岬角こうかくって、また下手対岸の蒼黒い巌壁がんぺきにぶつかると
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
火を背になし、沖のかたを前にして立ちたいをそらせ、両のこぶしもて腰をたたきたり。仰ぎ見る大ぞら、晴に晴れて、黒澄くろすみ、星河せいかしもをつつみて、遠く伊豆の岬角こうかくに垂れたり。
たき火 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
かげに小さな小屋がけして、そまが三人停車場改築工事の木材をいて居る。橋の下手しもてには、青石峨々ががたる岬角こうかくが、橋の袂からはすに川の方へ十五六間突出つきでて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)