山家育やまがそだ)” の例文
『何れを見ても山家育やまがそだち。繁華の地と違い』って次第わけで、侍の子は我輩一人だった。小さい刀を一本差していた。自然押しが利く
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
受取りて伯父の前へ持ち来り「伯父さん、満さんの手紙よ。何といって来たろう。よんで御覧な」と礼儀も知らぬ山家育やまがそだち。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
山家育やまがそだちの石臼いしうす爐邊ろばた夜業よなべをするのがきで、ひゞや『あかぎれ』のれたいとはずにはたらくものゝいお友達ともだちでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
菅原伝授手習鑑すがわらでんじゅてならいかがみ』の三段目じゃないが、いずれを見ても山家育やまがそだち、どうにもとり立てていうほどの面相はない。
顎十郎捕物帳:10 野伏大名 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
いずれを見ても山家育やまがそだち——
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)