小競こぜ)” の例文
小競こぜり合いでも、敵が寄せてくると、俄然、えもつかれも忘れはてて戦える。ところがこの半月余りは、いっこう寄手が襲って来ない。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしそれはまだ最初の小競こぜり合いにすぎなかった。ゆっくりやっていて、そのうちにほんとうの攻撃に着手すると、彼はほのめかしていた。彼らは少しも急いではいなかった。
マヘボ付近の大岩窟中に潜入した兇蕃たちは時折り警備線を突破しては討伐隊と小競こぜりあいを演じていた。隊を悩ますところ少くなかったが、しかし、彼ら自身の被害はさらに大きかった。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
領主の織田信秀おだのぶひでと、隣国の今川義元いまがわよしもととは、両立しない二つの勢力だった。国境方面では、絶えずどこかで小競こぜり合いがあった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
峡谷きょうこくで、蜀の哨兵しょうへいに出会った。その逃げるを追って、なお進むと、やや有力な蜀勢が寄せ返してきた。一進一退。数日は小競こぜり合いに過ぎた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いては引き、また越えては退さがり、彼の反撥はんぱつ小当こあたりにあたってみるような小競こぜり合いを繰り返していたものである。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
城中の結束のいかに強固なものかを、秀吉は、前の中村の惣領娘のときにも、手きびしく示されたが、その後の小競こぜり合いにも、こんな一例があった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのあいだを、搦手からめてかどこかで小銃の音が聞える。小競こぜり合いと見て、それには誰も動じなかったが、当面の問題には、まったく困憊こんぱいのいろをみなぎらしていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——だが、夜に入るまでは、息つきの小競こぜり合いに止めておいて敵が誘うとも深入りはするな」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
織田家の出城と、三河方との出先の小競こぜいなどは、勿論、むまもなかったし、それがいつ大きな発火点となって、両国の運命をすものとなるか、決して予測はできなかった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)