“小盥”の読み方と例文
読み方割合
こだらい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
土間の中のことなった方で音がしたと思うと、若僧は別の口から土間へ下りて、小盥こだらいへ水を汲んで持って来た。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それから戸板で担ぎこまれたお祖父さん、裏のさかな屋の女房、露次ぐちにあったなつめの樹、幾つもの研石や半揷はんぞう小盥こだらいのある仕事場、みんなはっきりと眼にうかんできた。
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
敷居際につくばった捨吉が、肩のあたりに千草色の古股引ふるももひきあかじみた尻切半纏しりきりばんてん、よれよれの三尺、胞衣えなかとあやしまれる帽をかぶって、手拭てぬぐいを首に巻き、引出し附のがたがた箱と、海鼠形なまこなり小盥こだらい
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)