小父おぢ)” の例文
「なにしろ小父おぢさんは、としに似あわず、様子がいいから……画にも描かれようってものさ、おれたちとはわけがちがうワ」
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
小父おぢさんの帰りはとつかはと馬車に乗りてはねばならぬ我宿わがやどの三ぜん冷飯ひやめしに急ぎ申候まうしそろいますなは如何いかん前便ぜんびん申上まうしあそろ通り、椽端えんばた日向ひなたぼつこにそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
別の子供が「小父おぢさん、釜から幽霊(ゆうれんと発音した!)のでるわけないな、釜からでるのやつたら五右衛門(ごよもんと発音した!)の幽霊やな」
初代桂春団治研究 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
怜悧な少年の感覚に、こわい小父おぢさんが可笑しく見えるやうな類だと言つて可かつた。
和解 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
御覧ごらんよ、まだあの小父おぢさんがるよと小守娘こもりむすめの指を差しそろによればその時の小生せうせい小父おぢさんにそろなほこゝに附記ふきすべき要件えうけん有之これありあにさんの帰りは必ずよそのいへに飲めもせぬ一抔の熱燗あつかんを呼びそろへども。
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)