尊王そんのう)” の例文
貧苦の中にありて「机に千文ちぶみ八百文やおぶみうずたかく載せ」たりという一事はこれを証して余りあるべし。その敬神尊王そんのうの主義を現したる歌の中に
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
しかりといえどもさらに社会的に観察せんか、彼は時勢の児に外ならず。彼が精神上の父は、敵愾てきがい尊王そんのうの気象にして、その母は国歩こくほ艱難かんなんなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
今のうちに、尊王そんのうの大義を建て、外夷を討つ計を立てなかったら、この日本は、支那と同じてつをふむほかない。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それにきかへて日光につこうにある徳川氏とくがはしびようがあのとほり立派りつぱなのをて、蒲生君平がまうくんぺいなどが憤慨ふんがいして尊王そんのうねんおこしたので、まことにむりのないことであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
尊王そんのうの哲理は既に「かたじけなさに涙こぼるる」宗教心と一致せり。しこうして宗教心は人間最大の運動力たる利益心と伴随し来る。革命の精神は、さらに万斛ばんこくの油を注がれたり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
起承は則ち尊王そんのうなり。転結は則ち攘夷じょういなり、尊王攘夷の大精神は、実にこの人の活ける名号なり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)