寝冷ねびえ)” の例文
田舎者は人がわるいそうだから、気をつけてひどい目にわないようにしろ。——気候だって東京より不順に極ってるから、寝冷ねびえをして風邪を引いてはいけない。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
……寝冷ねびえをしては不可いけませんよ。私、山百合を買って来て、早く咲くのを見ようと思って、つぼみを吹いて、ふくらましていたんですよ、水をって下さいな……それから。
湯島の境内 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
第七 寝冷ねびえの害 これは食物に関係がないようですけれどもしかし消化器の力を弱めて胃腸の病気を起すのは寝冷が一番悪いので、夜寝る時腹部を冷さないようにしなければなりません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
べにさして寝冷ねびえの顔をつくろひぬ
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
涼しい時に虫が鳴いても、かぜを引くなよ、寝冷ねびえをするなと念じてやるのが男じゃないか。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「だいち寝冷ねびえをしないだけでもあっちの方が得じゃないか」と云った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
寝冷ねびえせし人不機嫌ふきげんに我を見し
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
貴下あなた寝冷ねびえをしては不可いけません。」
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)