寂々しん/\)” の例文
ねやこゑもなく、すゞしいばかりぱち/\させて、かねきこえぬのを、いたづらゆびる、寂々しん/\とした板戸いたどそとに、ばさりと物音ものおと
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
日がおそろしく早く暮れてしまふだけ、長いはすぐに寂々しん/\け渡つて来て、夏ならば夕凉ゆふすゞみの下駄げたの音にさへぎられてよくはきこえない八時か九時のときかねがあたりをまるで十二時のごとしづかにしてしまふ。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)