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寂々
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しん/\
ふりがな文庫
“
寂々
(
しん/\
)” の例文
更
(
ふ
)
け
行
(
ゆ
)
く
閨
(
ねや
)
に
聲
(
こゑ
)
もなく、
凉
(
すゞ
)
しい
目
(
め
)
ばかりぱち/\させて、
鐘
(
かね
)
の
音
(
ね
)
も
聞
(
きこ
)
えぬのを、
徒
(
いたづら
)
に
指
(
ゆび
)
を
折
(
を
)
る、
寂々
(
しん/\
)
とした
板戸
(
いたど
)
の
外
(
そと
)
に、ばさりと
物音
(
ものおと
)
。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
日が
恐
(
おそろ
)
しく早く暮れてしまふだけ、長い
夜
(
よ
)
はすぐに
寂々
(
しん/\
)
と
更
(
ふ
)
け渡つて来て、夏ならば
夕凉
(
ゆふすゞ
)
みの
下駄
(
げた
)
の音に
遮
(
さへぎ
)
られてよくは
聞
(
きこ
)
えない八時か九時の
時
(
とき
)
の
鐘
(
かね
)
があたりをまるで十二時の
如
(
ごと
)
く
静
(
しづか
)
にしてしまふ。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
寂
常用漢字
中学
部首:⼧
11画
々
3画
“寂々”で始まる語句
寂々寥々
寂々寞々