宮人みやびと)” の例文
かくいひ終れる時、尊き聖なる宮人みやびと等、天上の歌の調しらべたへに、「われら神を讚美す」と歌ひ、諸〻の球に響きわたらしむ 一一二—一一四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
しかし、君長ひとこのかみの葬礼は宮人みやびとたちの手によって、小山の頂きで行われた。二人の宿禰すくねと九人の大夫だいぶに代った十一の埴輪はにわが、王のひつぎと一緒に埋められた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
男が、女の寝屋へ通うのは、むしろ上古の純風で、奈良朝や平安朝の宮人みやびとたちが、みな、行っていたことである。
「何をそんなにおさわぎになる。宮人みやびとのはかまのすそのひもについた小さなすず、たとえばその鈴が落ちたほどの小さなことに、宮人も村の人も、そんなに騒ぐにはおよびますまい」
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
我等の愛は、その門を正しき願ひの前に閉ぢず、あたかも己が宮人みやびと達のみな己と等しきをねがふ愛に似たり 四三—四五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それすらお目にうつらなかったほど、とっさに近侍の公卿から宮人みやびとのすべてがまわりをお囲みしていた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
松明たいまつんだ火串ほぐしは円形にその草野を包んで立てられた。集った宮人みやびとたちには、鹿の肉片と、松葉で造った麁酒そしゅもそろの酒がくばられ、大夫たいぶ使部しぶには、和稲にぎしねから作った諸白酒もろはくざけが与えられた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
天の宮人みやびと達四方よりこの聖歌に和し、いづれの姿も是によりていよ/\きらびやかになりたりき 九七—九九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)