宝前ほうぜん)” の例文
旧字:寶前
「……普門品念彼偈ふもんぼんねんぴげ(観音経)の一句一句を、各〻が詠題に分け持って、巻をおさめたなら、尊氏が浄書のうえ、当寺の法楽観音の宝前ほうぜんけんじたてまつること。いかがであろうな」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
敬白願書奉納鹿島大明神宝前ほうぜん、右心ざしのおもむきは、それがし土子泥之助兵法の師諸岡一羽亡霊ぼうれいは敵討ちの弟子あり、うんぬん……千に一つ負くるにおいては、生きて当社に帰参し
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
清子は、大日如来だいにちにょらい御前みまえに、長いことぬかずき、また、地蔵菩薩の宝前ほうぜんに、香や花をささげ、地蔵経一巻を声ひくくんで、いつものように、杉木立の小道を、やかたの方へもどって来た。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、宝前ほうぜんへすすんだ。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)